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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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11月22日の記事です
秋田魁新報社
県内産科医、7カ月で1割減少 中堅の県外転出が顕著
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20071122f

毎日新聞
求められる「助産師」像/上 分娩体制崩壊の危機 /山梨
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20071122ddlk19100374000c.html

神戸新聞
外国人向け「安心出産パネル」 三田市民病院の助産師作成
http://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/0000747287.shtml

中日新聞【滋賀】
「助産師外来」始まる 大津市民病院
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20071120/CK2007112002065630.html

この4紙の中で秋田県の産科医の現状が報じられていますが、大丈夫でしょうか?
以下引用
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県内の病院などに勤務し、お産を扱う産婦人科医が、今年4月からの7カ月余りで7人減ったこと
が、日本産婦人科医会県支部の調査で分かった
~中略~
同支部によると、県内でお産を扱う医師は18年度末時点で69人いたが、21日現在で62人に減
少した
~中略~
一方、出生数は16—18年の3年間、7000人台後半とほぼ横ばいで推移しており、医師1人当た
りの負担が大きくなっている様子がうかがえる
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以上引用終了

7人の減=県内産科医1割の減となってしまうようです
そちらの方が驚きです
産科医1人が病気で倒れたり、心折れて倒れたりするだけで地域の産婦人科診療に多大な影響
が出る事が容易に想像できます

産婦人科医不足は多くのところで言われています
産婦人科医の養成が急務である事は確かです
ですが、果たして間に合うのでしょうか

悪循環が加速していきます
地域から医師が減れば残された医師の労働負担は明らかに増えます
辛うじてその場にとどまったとしても
その地域で診療する事が当たり前、その地域の医療を守る事が当たり前
そんな期待が重荷になって
当たり前と思われるばかりで、増えた労働負担を受容する事が当然のように
かつて医師が現状より多くいた時と同じ視線のまま
働くことを求めらるのなら

果たして医師はその地域にとどまり続ける事に、いつまで耐える事ができるのでしょうか

わずか7人が去るだけで、1割の産婦人科医が減少する事と同義の県があります
外界にある、より良い労働環境が整った病院に残された医師が目をやる時
雪崩のように医師が流出する可能性は、十分にあります
その時、6人の医師が1割に、5人の医師が1割に
1割に相当する人数はどんどん減っていき
まさに絶滅危惧種のような目で、その地域の産科医が見られる時代が
来るかもしれません

残された産婦人科医の負担を考える時
現状を維持していくのは無理でしょう
そしてそれは、多かれ少なかれ、同時並行的に殆どの県で起きている現状です

医師はどこへ消えたのか?

絶滅危惧種のパンダはいったいどこへ消えたのか?

石を以て追われたパンダは、怖い思い出の残る地域へ戻ってくる事はないのでしょう
少しでもゆっくり眠る事の出来る、少しでも家族と一緒にいられる
檻に閉じ込められる危険の少ない
前よりほんの少し安らぎを覚える事が出来る場所で、笑っているのかもしれません

それを「地域を見捨てた冷たい医師」と呼ぶ住民感情があるならば
そこから更に医師は減っていく事でしょう

point of no return
いつそのpointを越えてしまったのでしょうか
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うろうろドクターさんのブログを参照して下さい
http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/18821166.html


11月18日13時1分配信 毎日新聞の記事です
以下引用
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「病院で産んだ子は愛しにくい」。上田市でバースセンター設立を訴える
「安心してお産と子育てができる地域をつくる住民の集い」のメンバーのほとんどは、
病院と助産師によるお産を経験している女性たち。彼女たちが口をそろえるのは
病院出産に対する不満
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以上引用終了

どう思われようと勝手です
分娩場所の選択をどうされようと勝手です

ですが
その病院で働いている我々医師は何ですか?
今日病院で取り上げた赤ちゃんの存在はどうなりますか?
医学的介入がどうしても必要だった妊婦さん
安全のため早くから入院し安静にし、お産の日を待っていた妊婦さん
一緒に立ち会っていた旦那さん

それを貶めるような発言をするような人達へは、産婦人科医として激しく嫌悪感を覚えます

日常業務は大変です
でも何とか周りのスタッフで協力して、今日という日をこなして明日につなぎます
誰か1人が倒れれば、その地域の周産期医療が終わってしまう
本当にそんな状況で、何とか一日仕事に明け暮れます

でも
それも、こんな人達にかかってしまえば

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「病院で産んだ子は愛しにくい」。上田市でバースセンター設立を訴える
「安心してお産と子育てができる地域をつくる住民の集い」のメンバーのほとんどは、
病院と助産師によるお産を経験している女性たち。彼女たちが口をそろえるのは
病院出産に対する不満
*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/

ですからね。

分かり合えるはずがないのだと、そう思います
分かり合う価値を、もう見出せません
勝手にして下さいと言う気に、そんな虚無感に襲われます

でも
恥ずかしげも無くこのような記事を載せる毎日新聞
このような発言をする「安心してお産と子育てができる地域をつくる住民の集い」のメンバー達へ

この記事は
人の職場と人の患者を馬鹿にした発言をするあなた方への
抗議の記事です

分かり合えなくても結構ですが、不用意な発言がどれだけ多くの人を傷つけるのか
猛省を望みます

産婦人科医であるなな先生のblogより

当直中の医師がなくなられたそうです
ご冥福をお祈りいたします

過酷な勤務体制が整備されない限り、医師個人の負担は大きくなります
医師は目の前の患者さんの為と全力で戦います
自分の時間、体力、精神を犠牲にして
ですがそのような医師の善意によりかかった制度は、改善されるべきです
一時的にその善意に頼らざるを得ないと言うなら
その善意の上に倒れた方へ、その善意で働く人へ
心からの尊敬の念を
どうか、お亡くなりになった方へ花束を

全文引用です
「ななのつぶやき」
http://blog.m3.com/nana/20071120/1

以下引用
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「犠牲」

身近な医者を、2人亡くしています。

 

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一人は約10年前。

当時30代の、先輩医師です。

研究に、臨床に、非常に忙しくなさっていました。

たまにご連絡を下さる時は、決まって深夜2時3時のメールでした。

学生時代は体育会でご活躍された先生で、

人間?と思いたくなるようなタフさと、ひょうひょうとした笑顔を併せ持った

爽やかな先生でした。

大学病院勤務時代の夏、当時研修医だった私たちを集めて

ナイター見物に連れて行って下さったことがありました。

外野席で、ビールを飲みながらハンバーガーとポテトをほお張って

みんなでひゃあひゃあ言っていたら、

先輩だけ眠ってしまったのを、今でも覚えています。

 

その日も、病院で夜遅くまでお仕事をなさっていました。

術後の患者さんが落ち着くのを見届けた後、

0時過ぎから論文の添削を始めたところまでは、他の医師が見ていました。

翌朝、出勤してきた同僚医師が、医局で倒れている先生を見つけた時には

既にお亡くなりになっていたそうです。

 

葬儀には、婚約者の女性は出て来ることができなかったと、

後で聞きました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

今度は、友人医師を亡くしました。

彼女も、30代です。

 

同じ職場の上級医師が、過労でその病院に入院中でした。

元々、一人が過労になるような労働環境ですから、

多くをお話しする必要はないでしょう。

一人が入院・休職しても、現在の医療事情では代替要員は派遣されませんので、

残ったドクターたちは、目も当てられない忙しさでした。

緊急opeのある科の医師で、毎日遅くまでopeをした上に、

夜中も容赦なく呼び出されていました。

「過労だけは気をつけようね。壊れる前に、逃げようね」

と、お互い言い合っていたのに・・・

 

その日、彼女は当直でした。

翌朝、交代で当直に来た若い先生が当直室に入ると

彼女は机にうつ伏せになった状態で、亡くなっていたそうです。

大きな悲鳴を聞いて、一番に駆けつけた人が

何と過労で入院中の、彼女の上級医師でした。

その先生は、自分が休職したからだと自分を激しく責め、

入院先も変えた上に、退職されてしまいました。

残った同じ科の先生たちも、全員がご自分を責め続けています。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

二度と犠牲者を出したくありません。

どうしたらいいでしょう。

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以上引用終了

繰り返してはいけない事です
改善しなくてはいけない事です
そのために何ができるでしょうか

現在殆どの医局では医局員不足です
診療科問わず、新規入局者は減り、脱局者は増え、マイナスバランスまっしぐらです
例外的に年に50人以上入局する巨大医局の存在を耳にしますが
日本の面積の大半をカヴァーする地方大学の医局は、まさに焦土一歩手前といった感じです

医師はどこへ消えたのか?

医師免許そのものを使い、生活の糧とする人数は減ってはいません
ただし、
医師派遣の手駒となる、従順な、使い勝手の良い、安上がりな
「持ち駒」的な医師が減っています

転勤命令が出ても、決して嫌と言わない
医局が動けと言ったら、抗弁せず黙って動く
異動命令が数週間前でも、取り敢えず着の身着のまま、次の勤務先に出向く

そのような強大な権力を、かつて医局は有していました
医局マフィア、医局はヤクザな所
そんな言葉で形容されるように

地域の同一診療科の医師は殆どが顔見知りであり
現教授を頂点に、同心円状に(若しくはピラミッド状に)、ある診療科のネットワークは完成されており
ギルド的なそのネットワークに参加しない、同一診療科の医師は
日常診療業務に大きな不利益、不都合を感じるため、進んで、またはやむを得ず
そのネットワークに参加する事になりました
そのような「同じ釜の飯を食べた」間柄であるからこそ、ネットワーク参加者間の結束は強く
その輪からはみ出す事を恐れればこそ、無理難題的な派遣命令にも従わざるをえませんでした

ですが、そのような仕組みは最早成り立たなくなっています
またそのような仕組みは現在において、強い理解を得られるような仕組みでもありません

自分の生活を思いやり、家族を思いやり
社会情勢を鑑み、現在の医療情勢に思いをはせると
ふと
「無理にこのコミュニティに固執する必要はないのではないか」との思いが強まります
そのようなネットワークに参加せずとも
自分のやりたい医療は可能であり、むしろ生活がより豊かになる
そんな思いが、医局離れを促進させます

「あと一年耐えてくれ」
「地域医療を守ると思って我慢してくれ
「お前がいなくなったら、一体誰が後に続くんだ」
「残る俺たちを見捨てて、それでもお前は出ていくのか」
「戻ってきても、もう居場所はないと思え」
懇願、哀願、同情、脅し、捨て台詞
医局を離れるには色々なしがらみを断ち切る必要があります
ですが進みに進んだ医療崩壊の現状は
そんなしがらみを断ち切る事も仕方ないと思わせるほどの、それでも外に出るほうがよっぽどましと
そう思わせるに足る状況です

個人にのしかかる負担と自己責任
いつ裁判沙汰になるかもわからない中での診療
自宅に帰れない当直、時間外労働の嵐
そんな中、疲弊して、心砕けた医師にとどまれと、誰が強制できるでしょうか

かつて成り立っていた医局制度
もはや崩壊寸前です
この現状、止めようは本当にあるのでしょうか
また、かつての医局が有していた医師派遣業務を、地方で代替しようと目論む役人
どれだけの覚悟を持っているのでしょうか

入局者離れの大きな要因である、地域での劣悪な労働環境を是正せずして
地域に医師を呼び戻す事は不可能です

強制力を持って、手頃な医師を、思いのままに、手駒のように使う事が可能であった時代は
もう
終わりました

医師の効率利用とは

ある大学病院では時間外の手術は1系列のみで行う事を原則とし、
それ以外の手術には必ず器械出しとして、もう1人医師が参加しなければ
いけません
緊急帝王切開を行う場合、運が良ければ術者+前立ちの2人で可能ですが
「時間外なのでもう一人お願いします」
と器械出しの医師を確保する必要があります
どうしても3人以上の医師が必要になります
また広汎子宮全摘術が長引き、5時15分を回った場合、器械出し看護師に
代わり新たに器械出し医師が必要になります
その場合術者+第1,2助手の3人の他に必要ですから、計4人の医師が必要です

医師不足と言われます
産婦人科医不足と言われます
でも、こんなものです

月に10件以上のお産を扱う中堅の医師が器械出しの為拘束されます
仮に夜間に他の病院に応援に行けば、十分な戦力となる医師が
器械出しの為拘束されます
緊急帝王切開となれば最低3人が必要になる場合もある為、常に3人の医師が
拘束体制です
医局員が多数いて、十分なローテーションを組めるような超強力医局では
あまり大きな負担にならないでしょう
ですが、そんな医局、現在どの位あるのでしょう?

地域の病院へ応援に行く為、かえって病棟が手薄になる大学病院
大学に残った医師を産科、婦人科、内分泌などのグループを超えて掻き集め
ようやく器械出し要員まで確保して行う緊急手術

どう考えても効率が悪いのです

医師不足と言うけれど
本来医師以外が行う業務の為に、医師が拘束される現状はあまり改善されていません
そこに割かれる人員を、医師しか出来ない業務に回す事ができれば
もっと業務に余裕が出るのに
医師不足が今ほど深刻化していなかった時に出来た、暗黙のルール
それが医師不足の今でも生き続け、
今更ながらの業務負担を、他職種は受け容れようとはしません

「それは先生の仕事です」
「この時間からは先生がやってください」

それでも人員が回る時代はまだ良かったのです
ですが、それを本来医師の職務に専念するべき人々に、何の危機感もなく行わせ
それでいて医師不足を憂う状況は明らかに矛盾しています

医師に本来の医師の仕事をさせて下さい

医師以外に出来る仕事を医師に課し、拘束し、休息時間を剥奪する職場
本当に医師としての職務が出来る人材を求めながら、医師不足に嘆く病院が見たら
何と言うのでしょうか



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