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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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医師不足続きの1年でしたが
この1年で何が変わったでしょうか

確かに医療崩壊・医師不足の報道は毎日のように新聞紙を賑わし
様々なメディア・コメンテーターが医師不足について発言してきました

勿論医療従事者に取って望ましいニュースもありました
一番大きなニュースはいわゆる大野病院事件に対し無罪の判決が確定した事です。
また東京都では都立病院の医師に対する給与引き上げ
各地域で産科医に対する分娩手当などの待遇改善がなされるなど
勤務医の労働環境改善に対するコンセンサスが醸成されてきた事に、疑問はありません

一方妊婦受け入れ不能の顕在化
公立病院の休院、産婦人科・小児科の休診など
医師不足が医療へのアクセス悪化と言う点で更に顕在化してきた一年でした

ですが、実際産婦人科の現場に身を置く者としては
世間で一般に騒がれている程、現実世界においては労働環境の変化を全く感じない
そんな1年でした

それは決して望ましい意味ではありません

当直回数は全く減らず、月10日以上
拘束回数は全く減らず、当直と合わせて月20日以上
分娩数は周囲の開業医のお産取扱中止によって増えますし
手術件数も前年比増
給与が増えるわけでも、手当が新設されるわけでもなく
各職種は仕事の中身を変えたくないと、移譲したい仕事は引きうける気配なく
診断書は住所記載、病名ICD分類記載、術式に当てはまるKナンバー記載は煩わしく

雑用から専門的な仕事まで、ごちゃ混ぜになった労働環境が改善された感はありません
産婦人科医療に対するインセンティブがつけられた感もありません

勤務医が実感として改善を感じるまでには
現場まで改善の恩恵が降りてくるまでには
まだまだ時間が必要なようです

順風と逆風が渦巻く中
現場の産婦人科医・勤務医にとって、見える範囲は限られます

地平の向こうから、遠くから援軍が迫っていても
視界に入ってこなければ、それは来ないのと同義です
電波で送られてくる援軍情報も、期待とデマが混じった不確かな情報で
日常に耐える補給となり得ません

そんな中で、一人・また一人と前線から現場の産婦人科医が撤退します

戦死するくらいなら敵前逃亡もやむなし

なるほどな、と。

来年こそしっかりとした補給線が確保されてほしいものです
枯渇したままの現場では援軍を待っていますが
途切れたままであったり、滞ったり、細かったり、短かったり
そんな補給線では、現状を乗り切れません

目に見える形で援軍を、体を休められるように援軍を
理念ではなくて、具体的に援軍を

そうしなければ、焼け野原

SOS,SOS,SOS

師走に現場から援軍を要請します


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