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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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医師不足と言うけれど

産婦人科に学生・研修医を勧誘をする点でネックとなるのが拘束時間の多さです
幾ら国や地方自治体、患者団体が不足している診療科の医師を増やせと唱えても
学生、研修医の金の卵達は産婦人科を選択しません

そこに強制性の入る余地はなく
あくまで本人の自発性と、少しばかりの勧誘の程度がマッチした時
産婦人科を選択する金の卵が産まれます

非医師及び他科の医師が幾ら当該科への勧誘をした所で
幾ら「あなたは何々科に向いている」「あなたは何々科に行くべきだよ」と言っても
実際にその科で実務を担う当該科の医師からの勧誘なしにその科を選択する事は
よっぽどその科に魅力があり、また自分に自信がある場合を除き(勘違いを含め)
滅多にありません

産婦人科での勧誘においてまず聞かれるのが
「実際の拘束体制はどうですか?」「体力的にきつくないですか?」
と言ったオンコール体制、産科当直体制についてです。
この質問をされる度、答える度
産婦人科に人を呼び込むのは現状では難しいと感じる事になります。

嘘、大袈裟、紛らわしい答え方で煙に巻く事も可能ですが、実際入局してしまえば
嘘をついてもすぐにばれますし
今のご時世、本人にとって転科・脱局なんて痛くも痒くもない事象です
「こんな風には聞いてませんでした。辞めます」
と言われる事が目に見えてますし、質問には正直に答えるようにはしています

それでもなお、産婦人科を選択する奇特な学生、研修医はまだ比較的多くいます
そんな奇特な新規参入の人達がいるからこそ、今日も崖っぷちで医療が保たれて
いる地域が日本には多く存在します

結論から言えば、現状のような周産期医療体制は壊れて然るべきものです
それを現状で維持しよう、現状を何とか保っていこうと考える人がいるならば
それは私と意見を異にする方ですし、その集団の持ち得る資源のみで自己完結
して頂ければと切に願います

そんな壊れて然るべきの現状に対する、学生からの質問への回答集

1)1か月に何回病院に泊まるんですか?
1か月に約10日と考えて下さい。10泊ですね。泊まっている間は病院に軟禁状態で
アメニティも調っていない当直室に泊まっています。

2)当直以外は比較的freeなんですか?
病院の規模に寄りますが、3人位の規模なら帝王切開時など全員集合な時もありますし、
病院の近くにいるようになっています。1時間以上かかる遠出は必要な場合を除き控えて
もらいます。


3)オンコールって何ですか?
病院からの呼び出しに対し対応できるように待機しておくシステムです。電話で応対可能
な事もありますが、呼び出されたら30分以内に病院に到着できるようにしてます

4)病院に泊まった翌日は休みですか?
休めません

5)病院に泊まった翌日は早めに帰れますか?
帰れません

6)二人体制の病院ではどうなっているんですか?
関連病院、民間医局からの応援もありますが、基本的には2人で何とかするのが基本なので
月の内25日間位は泊まり若しくは2nd callで病院近くでの待機です

7)麻酔科の常勤医がいない場合はどうするんですか?
自分で麻酔をかけて、自分で手術をするしかないでしょうね

8)オンコールってお金もらえるんですか?
もらえない施設が多いです。手当なしで義務だけ存在します

9)夜お産に間に合わなかったらどうするんですか?
産直として病院に泊まっているような施設は大丈夫ですが、オンコール体制で夜間の分娩
当番を敷いている病院もあります。その場合呼ばれて10分で病院に到着しても産まれて
しまっているcaseもあります。1分の重みを痛感する瞬間です。間に合わなかったらどうす
るんでしょうかね。

10)1か月にそんなに拘束されていて、家庭を持ったら大変ですね
だから中堅層、年配層はお産を取らない婦人科、不妊症へシフトする人も多いです

こんな回答でも産婦人科に入る人は入りますし、やめる人はやめます
ですが、こんな体制が持続可能なわけはありません
持続させて良いわけがありません

心ある為政者、地域住民がこの体制を知って、なお
この体制を持続させろと言うわけがありません
持続させろと言う場所は、そこは心の僻地です

この体制を変えるには、1ベッドあたりの医師の数を増やすしかありません
病院全体の医師数を増やすしかありません
そしてそれには、数人単位で病院を守る、地域を守る事を強いられている
現状のシステムを壊すしかありません

現状からの、地域医療の局所的後退なくして
大局的な周産期体制維持が不可能だと考えざるを得ません

1時間かけて妊婦健診に通っても良いのです
予定日が迫ったら病院近くに泊まるような体制でも良いのです

身近な地域に医療体制を維持せよとは、現状において何にも勝る贅沢である事を
深く考えて欲しいと思います

そんな壊れて然るべきの現状に対する、学生からの質問への回答集 その2

11)それなら先生は何で産婦人科を続けているんですか?
こんな体制は長く続かないと信じているからです。
続く時には、もうお産は辞めます





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