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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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新臨床研修制度が見直されるようです

1)必修科目を1年で終わらせ、小児科・麻酔科・産婦人科などの5科から2科目を選択必修とし、2年目は専門分野の研修をさせる
2)地域ブロックのみならず、各病院の定員見直しをし、大学病院へ優先して分配させる

が要点のようです


何というか
行き当たりばったりの方針転換に、呆れるばかりの一産婦人科医です・・・

小児科・産婦人科などの医師不足が明らかとなっている臨床科に、「戦力」となる研修医を
誘導し、前線で働ける駒数を増やすという狙いでしょうが

労働環境が悪くて忌避されている臨床科に、右も左もわかっていない若人をだまくらかし
誘導し、「さっさと第一線で弾除けとして働けやー」
的な下品な方策にしか思えませんが

だいたい労働環境が酷くて中堅どころから逃散が続く臨床科に、労働環境を改善せぬ
まま希望に燃える若人を誘導しても、方針転換が可能な研修医ですから、2年目の研
修終了時に「やっぱり無理でした」と抜け落ちる研修医続出、という様が容易に
予想されます

確かに産婦人科を例にとっても新規参入医師が増えずして、現場の労働環境改善は
得られません。その上で、現場に身を置く一産婦人科医にとっても、新規参入の産婦
人科医は喉から手が出る程喜ばしい金の卵です
ですが、その金の卵は孵化して、雛となり、そして親鳥となってくれるまで成長し、初め
て持続可能な産婦人科医循環モデルが形成されます

幾ら研修1年目を終了した医師であれ、国が現場への誘導を目論む2年目医師達は現
在の研修医と立場的にも、研修を受けてきた年月も何ら変わりがありません
例えば研修医を産婦人科専攻研修医と名前を変えたところで、個人の能力的には何ら
変わりがないわけです
それを、「医師不足を緩和するため」との目的で、2年目を「戦力」として現場に誘導する
方策はかつての学徒動員を彷彿とさせます

勿論現在の6年目以上の医師達の多くは、医学部卒業と共に各診療科に入局し、1年目・
2年目から重要な戦力として第一線の現場で活躍してきた事は確かです
それを考慮すれば、2年目からの「学徒動員」もまるっきり不可能な事かと言えばそうでは
ないでしょう。

ですが、新臨床研修制度の前後で大きく変わった事があります
大学病院の医局の弱体化、一般病院における研修制度の確立及び研修医自身の考え方
の変化です

かつて重要な戦力として働いてきた医師達も、1・2年目で恵まれた労働環境に身を置いて
きたわけではありません
労働基準法を無視した労働環境で、一度入局すると脱局が難しいとの洗脳のもと、隣の芝
生が青いのかどうかもわからない中、純粋培養で、「非常識」を「非常識」と考えない
思考回路を作り出された医師達も多くいます
そして、その洗脳が解かれ、隣の芝生が青い事を知った医師達は、何も言わず現場から立ち
去っていきました

仮に国が研修医2年目を戦力として捉え、医師不足解決の手段として扱うならば
その金の卵の医師達が、研修医2年目修了時点で「やっぱり無理でした」と思わず、更にその
科を継続していきたいと思わせるに足る、強い強い洗脳か、それなりのインセンティブがなけれ
ば、その制度は持続可能な循環モデルとはなり得ません

そんな労働環境改善が現在見られているのでしょうか?
現場に身を置き、残念ながらそんな実感は持てません
今仮に金の卵達がやってきても、その大半がドロップアウトしていく懸念の方が大きいです。

空腹のあまり、金の卵を産む雌鳥を食べてしまう寓話を、懐かしく思い出します。


追記として
「大学病院に研修医の定員を優先配分する」
とは、何故大学病院に研修医が集まらないか(勿論人気病院もありますが)を検討せず、
目先の支配欲に目を眩ませた愚者の提案に過ぎないと考えます

一般病院でそれなりに産婦人科医業務に就いていたドクターも、大学病院では

労働時間の中で費やされていた内容として

1)検体スピッツへのラベル貼り
2)検体の検査科への搬送
3)薬局への薬剤取り寄せ
4)食事を牛乳からヨーグルトへ変更するため、栄養科へ連絡
5)電子カルテ内で外泊入力、食事開始入力、食事開始連絡
6)次の輸血パックの取替えのみの為に待機(医師が輸血パックを交換する仕組み)
7)点滴・採血
8)時間外手術の器械出し
9)処置の手伝いなし
10)患者移送

などなど、ってどれも医師でなくても出来ることばかり

一般病院が医師不足で大変で、大学病院ですら医師不足に追われる中で
未だ大学病院はかつて医師が溢れていた頃の幻想そのままに、医師に雑用を押し付ける
奇異な環境

一般病院では医師の業務だけで精一杯
大学病院では医師の業務プラス雑用も加わり、人も余っているわけではなく
「なんでこんな事やっているんだろう」
と冷静になって考えると、そんな環境に身を置くメリットもあるわけもなく、抜け出す医師も続出し
そんな医師を見ていた学生も当然研修医として残るわけもなく
依然雑用に追われる中堅医師達で、負のスパイラル

今回の提案はそんな病院に、研修医を集まらせようとしているわけです
誰が喜ぶかと言うと
結局医師達に雑用を任せておける、コ・メディカルが一番喜ぶ提案なわけです

阿呆か

 

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コメント
無題
一般病院でそれなりに産婦人科医業務に就いていたドクターも、大学病院では

労働時間の中で費やされていた内容として

1)検体スピッツへのラベル貼り
2)検体の検査科への搬送
3)薬局への薬剤取り寄せ
4)食事を牛乳からヨーグルトへ変更するため、栄養科へ連絡
5)電子カルテ内で外泊入力、食事開始入力、食事開始連絡
6)次の輸血パックの取替えのみの為に待機(医師が輸血パックを交換する仕組み)
7)点滴・採血
8)時間外手術の器械出し
9)処置の手伝いなし
10)患者移送

などなど、ってどれも医師でなくても出来ることばかり





大学病院の看護師は何をしているんですか
【2009/07/20 11:58】 NAME[NONAME] WEBLINK[] EDIT[]


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医師不足
医師不足が叫ばれて久しいですよね。どうしてなんでしょう。日本の理系の優秀な人材は
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