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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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地方勤務を望む人は多くはありません
ですが誰かが行かなくてはなりません

そこに病院がある限り
お産がある限り

派遣の元締め、医局が撤退を決めない限り
どんな地方にも医師は派遣されてきました

メリットと言えるメリットは殆どありません

同僚医師は一人だけ、24時間365日常に拘束の状態で
常勤の麻酔科医がいなければ、緊急帝王切開の麻酔も自科麻酔
新生児の管理も含め、産婦人科医・新生児科医・麻酔科医、3つの顔を
要求されます

常に緊張の連続で、自分の病院で可能な事と不可能な事の
はざまにある症例の、搬送有無決定に悩む日々
搬送すら間に合わない、超緊急症例の発生に怯える毎日が
今日も全国各地の、地方病院で働く産婦人科医の日常です

病院の他には何もなく、遊ぶ場所も、息抜きができる場所も
そんな地方には殆どありません
一緒についてくる家族にとって、そんな地方は住みにくい事でしょう
自分と縁もゆかりもない地方都市
医師不足がより深刻な中の地方都市
そんな病院に、今日も医師が派遣されています

そこに行けと命じられ、向うのは
片道切符でないことを知っているから
いつかは戻れることを知っているから

今その場で働いている先輩医師・後輩医師が身内であるからこそ
その地方病院に派遣されてきた歴史があるからこそ
自分は行かない
と言うわけにはなかなか出来ない、と言う事情があります

まさに義理と人情の、旧態依然の医師派遣システム
かつて世間が非難した、医局マフィアが運営する医師の割り振り制度
ではあります

ですが、その体制そのものが現状において機能不全に陥っていることは
周知のとおりです
それは現在の医師を取り巻く環境を考慮すれば、当然の事ではあります

かつてのように義理と人情で派遣された病院で
自分が頑張っても頑張っても
見返りとしてくるのは、過酷な勤務による心身の変調と
抱えるリスクに比例する訴訟・逮捕の可能性

かつての派遣の根底にあったのはgive and takeの精神です
その中には義理人情が大きく関与しています
ですが、現状において、その義理人情と多少のtakeでは割に合わない程
医師不足の中の地方病院に勤務する医師は追いつめられています

行けと命じられ、その人事を断る事は
かつてのように医局人事のみが主体であった頃大きな意味を持ちました
その地域で二度と働けなくなるリスクもありました

ですが、今のように医師の勤務体系が多様性を見せる中
義理と人情を欠いても、自らの生活と家族を守るため
派遣人事に背く事も大いにあり得ます

それはその医師個人が責められるものではなく
そんな体制しか作れない、現状の医療システムそのものが責められるべきです

そんな中
いまさら同じような医師配置計画を作ろうとしている新聞社もあります(読売ですが)
義理と人情で辛うじて保たれていた現在の制度
それも最早崩壊途中にあります
そんな制度・配置計画が本当に出来上がったら、見ものではあると思います
義理と人情が介在しないそのシステムが、どんな状況を生み出すのか

現状の派遣システムがまさに崩壊途中の中
それでも、今日もどこかで義理と人情にほだされた医師が
一生懸命に地方病院で働いています

そんな医師たちに敬意を示し、これからを憂います

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