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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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市民「医師不足の原因の一つは大学病院に医者が集まらなくなったからと聞いたんですが。」


他人「一つの原因はそうでしょうね。医局に人が不足し、地域に派遣する余裕がなくなった大学もあるようです。」


市民「どうして大学の医局に医者を派遣する権限があるんでしょうか?県立病院や市立病院の人事権は自治体にあるんじゃないですか?」


他人「本来は公務員である県立病院、市立病院の人事権は各行政機関の長にあるでしょうね。」


市民「その割には医局の都合で住民の声も聞かず勝手に医者を引き揚げたり、人事権は医局にあるようで、迷惑な話です。」


他人「以前と比べ医局の権限はだいぶ弱なりました。その分医局を抜ける医師も増え、独自に転職する医師も増えているようです。」


市民「その割には地域の病院の医師募集は難航しているようですが。」


他人「医局を抜けて独自に就職しようとする医師のニーズと、募集している地域の病院のニーズがマッチしていないんでしょうね。」


市民「どう言う意味です?働きたい医者と人手不足の病院、条件は合っているんじゃないですか?」


他人「医師不足の病院で募集をしているのはどんな病院ですか?」


市民「それは、地方にあって、なかなか医者が来てくれなくて。」


他人「どんな科が不足していますか?」


市民「新聞の報道ではやっぱり産科、小児科、それに内科、麻酔科、救急などでしょうか。」


他人人手不足の科の医師を募集しているわけですよね。」


市民「まあそうですね。全国的に不足してる医師はご他聞に漏れず、地域の病院じゃ更に不足していますよ。」


他人「全国的に不足している科の医者を、地方にあって医者がなかなか来てくれない病院に呼ぶハードルは低いものでしょうか


市民「それは、まあ高いでしょうね。だから来てもらえなくて困っているんですよ。」


他人「一方医局を抜けて自分で就職しようとする医師の希望は、どんなものだと思いますか?」


市民「それはやっぱり楽で給料が高くて都会にあって、医師不足の病院と反対の病院でしょうね。わがままだから。」


他人「わがままだからではなく燃え尽きた医師が、給料はそれ程高くなくても激務ではなく人間らしい生活をできる病院を求めているのが実情でしょうね。」


市民「人間らしいって、医者不足の病院じゃ人間らしくないって言うんですか?」


他人「医師不足の病院で医師が補充されると、その医師の生活はどうなると思いますか?」


市民「それは、みんなから感謝されて頼られて、やりがいのある生活が送れると思いますよ。」


他人「そういう側面も勿論あるでしょうね。ですが医師不足の科の原因は何でしょうか?その医師とその医師の家族の時間を犠牲にする激務です。」


市民「大変だとは思います。でも仕方がない事ではないでしょうか?」


他人「仕方がない事かもしれません。そんな労働環境でも先人達が勤務してきた事は事実ですし。」


市民「そうですよ。今までもやってきた事なのに、ここになってやりたくないとか、できないとかは困りますよ。」


他人「ですが、例えば医師不足が叫ばれる前は3人体制でやっていた科が、医師不足のあおりで2人体制になった科はどうでしょう?負担は以前より増えていますよ。当直回数も増えるでしょうね。」


市民「そう言う科こそ募集して増やせば良いんですよ。そうすれば労働条件も改善して医者も集まるでしょう。」


他人「医師不足の科で減った分を補充して、更に増員すると事でしょうか?」


市民「そうです。良い考えじゃないですか?」


他人難しいですよね?


市民難しいですね。」


他人「加えて、患者さんの医療に求めるクオリティは先人達が働いていた時代とは比にならない程高くなっています。」


市民患者が病院・医者を選ぶ時代ですからね。」


他人「そういう地域があるのもまた事実です。100%の安全は勿論、納得いくまでの時間をかけた説明、サービス業としてのホスピタリティ、24時間全科対応を求めるコンビニ医療。」


市民「患者からすると当然の権利だと思うんですが。」


他人「そのような病院が理想であるとは思います。ただ、肥大した権利意識は医師の負担をどこまでも増やすものですね。」


市民「医者不足を改善する為に何かを諦めろって事ですか?」


他人「諦める事はありません。ですが、現状を認識してどこまで要求するかの折り合いは患者側にも必要だとは思います。」


市民「それは今の医療を後退させる事につながらないでしょうか。確かに今の医者不足は重大な問題だと思います。ですが、だから患者に我慢しろと言うのは強者の意見じゃないですか?」


他人程度によると思います。本当に必要な部分は当然求めるべきです。ですが過剰な部分はやはり改めるべきではないでしょうか。」


市民「具体的にはどういう事ですか?」


他人「それはまた別の機会にしましょうか。」


市民「医者と地方は対立するものじゃないですよね。」


他人「そうですね。お互いの最大公約数が早く見つかると良いですね。」

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コメント
無題
はじめまして。
ブログにコメント、ありがとうございました。
対話形式で、非常にわかりやすいと思いました。

ホントに、最大公約数が早く見つかると良いですね。
【2007/01/06 21:45】 NAME[Dr. I] WEBLINK[URL] EDIT[]
ありがとうございました
ブログ読んで頂き有難うございました
Dr.Iさんのブログは色々考える事ができ、参考にさせて頂いています

まだ記事数も多くありませんが、また読んで頂ければ幸いです

医療従事者側も患者側も、それ以外の人も、誰かの善意に頼るシステムは長続きしないので、何が医師不足解消にベストな改善策なのか難しいと最近考えます
【2007/01/09 17:31】 NAME[trias] WEBLINK[URL] EDIT[]


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