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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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市民「医者不足に医療ミス、老人医療の切捨て、本当に日本の医療は先進国とは思えない医療レベルですね。」


他人「本当にそう思いますか?」


市民「思いますよ。毎日のように新聞、テレビで報道されているじゃないですか。」


他人「マスメディアの医療報道ですね。娯楽番組でも時々特集されていますね。」


市民「そうですよ。信じられない医療ミスや、横柄な医者の態度、幾ら医者不足でもそんな医者には診てもらいたくないですよ。」


他人「随分とお怒りですね。では実際のデータに示されている日本のGNPに対する医療費の割合、人口当たりの医師数、病気当たりの自己負担額周産期死亡率、平均寿命、国民皆保険制度、人口当たりの病床数、医師の労働時間、医師の給与、フリーアクセスが可能な医療制度などについて国際比較した時はありますか?」


市民「私は一般人ですからそんな事は知りませんよ。寿命が世界一らしいのは知っていますけど。」


他人「では一度調べてみたらいかがですか?」


市民「調べると何か良い事でもあるんですか?」


他人「少なくとも国民にとって、今の医療制度は現在の税負担額を考えれば何ら世界に見劣りしない医療水準である事がわかると思いますよ。」


市民「本当ですか?感覚的な医療水準は随分先進国に比べて貧弱な気がしますが。」


他人「新聞、テレビではどんな医療報道が多いですか?」


市民「やっぱり医者のミスで患者さんが亡くなったり、逮捕されていたり、副作用で後遺症が残ったりとか、あと最近は医者不足で産科や小児科を休診しているとかの報道が多いですね。」


他人「そんな報道を受けていると、医療水準が低く思えるというわけですね。」


市民「そうですね。」


他人「医療報道について疑問を感じる事はありませんか?」


市民「疑問?そういうものなんだなあと思ったり、ひどいなあと思ったりはしますけど。」


他人「医療ミスについての報道はどうですか?」


市民「やっぱりレベルの低い医者が起こしている事が多いんじゃないですか?何度もミスを起こす医者も多いでしょう。」


他人リピーター医師の事ですね。確かにそういう医師もいるかもしれませんが、報道でバッシングを受ける事例が全てそうだと思いますか?」


市民「バッシングを受けると言う事はそういう側面が多いと思いますよ。医者は仲間で守ろとするのかもしれませんけど。」


他人「明らかなミスがあれば批判されてしかるべきだと思います。ですが、専門家内で意見が分かれるような事例を結果論で批判したり、専門以外の他科の医師が救急現場で応急的に処置した事にまで高いレベルを求める事例などについては、今の医療報道の姿勢には疑問があります。」


市民「でも結果的に患者が不利益をこうむった事は事実ですよね。批判しないと同じ事が繰り返さればかりじゃないですか。」


他人「事実を報道するのは今後の同じようなアクシデントを避ける上で必要だと思います。ですが、それを解釈しマスメディアの媒体で述べたり批判する場合十分な知識と認識が必要だと思います。」


市民「例えばどういう事ですか?」


他人結果を知った上で判断を批判する事は簡単です。ですが鑑別診断、罹患率、データの解釈、所見の取り方、マンパワー、施設の規模、アクシデントの起きた時間帯、エビデンスレベル、経験症例など判断する上でのプロセスを考慮せず批判するのは感情的に過ぎると思います。」


市民「ですが、やっぱり医者の言い訳に聞こえてしまうんですが。」


他人弁論を言い訳ととらえられてしまうなら、医療従事者と非医療従事者の理解は進まないでしょうね。」


市民「別に新聞やテレビも、批判の為に批判をしているわけではないと思うんですけどね。」


他人「一般的に断言口調で述べられるとわかりやすいですからね。購読者、視聴者の受けも良のでしょう。ですが、対案無き批判やただの結果論的な批判は医師と患者側の溝を生み、結果的に医者不足を進めるだけだと思います。」


市民「医者不足ともつながるんですか?」


他人「つながります。それはまたの機会にしましょうか。」

 

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市民「今度私達の市の病院の医者が大量辞職するみたいで、その後釜の補充ができないそうなんです。」


他人「それは大変ですね。」


市民「本当にどうなるか不安です。今まで夜間の急患を受け付けていた病院なので救急病院がなくなったらどうしたら良いのか。」


他人「近くの救急告示病院まではどの位の距離なのですか?」


市民車で40分位はかかるんです。」


他人「そうですか。市は何か対策をしているんですか?」


市民「派遣をしていた大学に補充のお願い行ったり、医者の派遣会社みたいな所に相談しているみたいですが。」


他人無い袖は触れない、多額の給与が必要になると言われてしまっているわけですね。」


市民「そうなんです。老人の多い地域ですし、転入より転出の方が多い地方で、確かにこれといって魅力もない市ではありますけど。」


他人「それでも病院がないのは不安と言うわけですね。」


市民「これじゃ地方の市民は死ね言っているようなものですよ。」


他人「まあ、それは極論ですが、医療の地域格差が広がっているのは事実でしょうね。」


市民「子供が夜に急にを出したり、怪我をした時なんか近くに病院がないと困りますよ。」


他人「そういう軽症の時は車で40分かけてでも良いと思いますが。」


市民「でもよく聞く心筋梗塞とか脳卒中とかは、自分の車で遠くまで連れて行くなんて出来ませんよね?」


他人「元々医局から撤退されるような病院であれば、3次救急の受け容れは不可能で搬送される事になりますね。まずは救急車を要請し、離れた病院に搬送してもらうしかないでしょうね。」


市民「そんな風に地域で医療提供のサービスに格差があって良いものなんですか?」


他人「ではどのようにすると良いと思いますか?」


市民「それは、やっぱり大きな病院をそれぞれの市や町に作って、医療スタッフを充実させるしかないんじゃないですかね。」


他人「でも、それはあまりに資源の非効率的な活用ですよね。医療費も莫大になりますよ。」


市民「でも、ある地域なら助かるのに、私達の町で病気になったら間に合わないと言う事は辛すぎます。自分の家族だったらと思うと、みんなそう思うはずですよ。」


他人「心情的には理解できますが、病院を作っても働く医師が集まらない、なんて事になってしまうでしょうね。」


市民「じゃあどうしたら良いんですか?やっぱり地方の住民は死ねって事ですか?」


他人「一つはそのような地域に住んでいるという、避けられないリスクを住民が認識する事でしょうね。今の限界として時限的に受け止めると言う事です。」


市民「見捨てられているまま諦めろと言う事ですか?」


他人違います。ただ医者を集めろと要求するのではなく、その地域から離れられないという自分の現状を認識した上で、何が出来るかを考えるという事です。」


市民「住民の署名を集めたり、デモをしたり、直談判をしに行ったりする事ですか?」


他人「それらの有効性がどこまであるかは疑問ですが。それよりは住民一人一人が金銭的な負担を納得したり、外来制限など受診抑制を取らざるを得ない病院の体制に理解を示すなどした方が、就職を考えている医療従事者からは好まれるでしょうね。」


市民「結局住民の負担を増やせという事ですか?」


他人「魅力ある病院には自然と医師が集まります。ですが、医師が集まらない地方病院に就職する、派遣されるという事だけで医師は既にその人達、家族の生活をある程度犠牲にする負担を負っているわけです。負担の相応な分担は必要だと考えますが。」


市民「それはそうかもしれませんが。」


他人「他にはそのような地域に住んでいるというリスクを認識し、ある程度の応急処置、BLSなどの講習を受けるなどの啓蒙活動も必要になってくるかもしれませんね。」


市民「早く次の医者が決まると良いんですが。」


他人「本当にそうですね。」

 

市民「医者不足なら医者を増やせば良いだけなのに、そうしないのは、既得権益を守る為医者が抵抗しているからじゃないですか?」


他人「そういう意見は確かに良く言われますね。そうであるなら、何人増やせば良い思いますか?」


市民「そんな専門的な事は詳しくわからないけど、足りない分を数年で補えば良いんじゃないですか?」


他人「まず医師を増やすのはそう短期間では出来ないですよね。」


市民「そうですか?例えば足りない産婦人科や小児科だけを専門とする医者を作るとか。」


他人「そうすれば短期間で養成できると?難しいですね。」


市民「どうしてですか。そんな話も聞いた時がありますけど。」


他人「国は新臨床研修制度で2年間各科を回り、建前上は全科のプライマリーを見れる医者を目指しています。意見と反対の流れですね。」


市民「そもそも、その研修医の制度で地方から医者がいなくなったんですよね。」


他人自由に研修先をマッチングで選べ、医局に属さない医師が増えているのは事実です。そして足りなくなった大学病院の医師の補充に地方の病院から撤退しているのも事実です。」


市民「じゃあその研修制度がそもそもの問題で、無くしてしまえば良いんじゃないですか?」


他人「そういう事も言われていますね。でも新臨床研修制度が始まって3年、研修を終えた医師はまだ1学年分です。その分が欠けただけで今の医師不足が全部説明できるとは思えないですね。」


市民「でも自由な選択で、楽でお金儲けが出来る科を選ぶ人達が増えているんですよね。」


他人「自由な選択自体を責める事はできません。入学の前提で将来が制限されている目的別医科大学などは別ですが。」


市民「でもそんな自由を許しているから、医者不足が解消されないんじゃないですか?」


他人「では、どのように医学生、研修医が専攻科を決めるのが良いと思いますか?」


市民「それはこの科は何人、その科は何人と割り振って、卒業後何年間かはどこの県のどこの地域で働かなくてはいけないと決めるとか。」


他人「随分と強権的な手法ですね。今の日本の法体系で許容されるでしょうか?」


市民「でもそうしないと医者不足は解消されないんじゃないですか?」


他人「そうかもしれませんね。」


市民「じゃあそんな風に法を変えれば良いと思うんですが。」


他人「長期的な視野でそういう流れになるかもしれません。ですが数年単位でそんな急激な変化は望めないでしょうね。」


市民「医者不足は今の問題なんです。悠長な事は言ってられません。」


他人「そうですね。だから余計に医師の抵抗を生むだけの強権的な手法は逆効果だと思います。」


市民「じゃあ医者の言うまま高い給料で募集するしかないんですか?」


他人「強制力を働かせないで募集するという形なら、待遇を良くするのも一つでしょうね。でも医師の希望は必ずしもそれだけではないと思いますよ。」


市民「これ以上地域の負担は増やせませんよ。」


他人「金銭的な負担と言う事でしょうか。」


市民「肉体的、精神的な負担も含めてです。今医者不足で地方は本当に心細い思いをしているんです。」


他人「そうですね。でも少しずつ今の医療に対する考え方を変えていく事も必要だと思いますよ。」


市民「どういう事ですか?」


他人「それはまたの機会にしましょうか。」

 

市民「どうして私達の市に医者は来てくれなのですか?」

他人「いない事は確かに残念ですね。では逆にどうしたら医者が来ると思いますか?」

市民「それは、大学病院に願いにとか、インターネットで応募を募るとか。」

他人「なかなか他の地域では難しいみたいですね。条件にもよるでしょうが。」

市民「他には奨学金を出して自前で医者を作るとか。」

他人「長期的で即効性はありませんが、そういう地域もありますね。」

市民「国や県の力で医師を派遣するとか」

他人「他の地域でも医師不足ですから派遣しようにも人がいませんね。都会から地域に連れてくる権力は国や県にはありませんし。」

市民公務員として県や市で医師を雇って転勤してもらうとか」

他人ドクターバンクなどでしょうか。他職種公務員との兼ね合いであまり好条件を出せない事から
応募状況はいま一つのようですね。医師は転勤の辞令を言われるがまま受け容れるでしょうか?」

市民「受け容れてもらわなくちゃ困りますよ。公務員だったら。」

他人「始めの条件にもよるでしょうが、次の転職先に困らない職種の医師は辞める事もあるでしょうね。」

市民魅力のある病院なら医者は自然と集まってくるのではないですか?」

他人「そうですね。たとえ都心から離れていても魅力ある病院には医師は集まるでしょうね。」

市民「どうして私達の病院には魅力がないのですか?行政の怠慢ですか?現場の怠慢ですか?」

他人「魅力をどう捉えるかで答えは違うでしょうね。医師にとって病院の魅力とは何だと思いますか?」

市民お金ですか。他には休みが取れるとか、当直が無とか。」

他人「それも確かに魅力の一つでしょうね。他に魅力になるものはなんでしょうか?」

市民「あとは、自然が多いとか、人情があるとか、街中にあるとかですか?」

他人「前半はだいぶ人によると思いますが、こどもの教育などを考えると市の中心部を望むでしょうね。」

市民「他に魅力ってどんなのがあるんですか?」

他人「若い医師はトレーニングの為にも症例が集まる病院を望むでしょうね。専門医取得に必要な学会認定施設ではない病院には行きたがらないですし。」

市民「私達の病院はそうではないんですか?」

他人「残念ながらそうではないようですね。第一線で働く中堅層は他科の専門家が配置されている事、一人科長などではなく相談できる同僚が揃っているかも重要でしょうね。」

市民一つの科に医者は一人いれば何とかなるんじゃないですか?」

他人「一人で全てを決める事は医師にとってかなりの重圧になり、訴訟のリスクを考えても一人科長よりは相談できるスタッフがいた方が良いでしょうね。それに一人では365日24時間拘束されますし。」

市民「じゃあ医者のすくない病院はどうしたら良いんですか?悪循環じゃないですか?」

他人「今その傾向に拍車がかかっていますね。」

市民「医者を呼ぼうにもそんなに条件を出されると地方は難しいです。医者のわがままじゃないですか?」

他人「これをわがままと言うか、リスクの回避と取るかは人によるでしょうね。」

市民「どうしたら良いのですか?」

他人「どうしたら良いのでしょうね。」

医師不足と言われて久しいけれど

どうしたらみんなが幸せになれるのだろう?

患者

24時間専門の医師に診て欲しい

・夜でも昼間と変わらない医療を受させて欲しい

お金が無くても最低限の医療を、命の保障を国に保障して欲しい

・住んでいる地域、通える範囲で医療を完結できる医療体制をしいて欲しい

・手術・投薬・処置の前には納得の出来る説明を十分にして欲しい

・病院を綺麗に、もっと快適に過ごせるような施設にして欲しい

・サービス業としての医療、医師・看護師の接遇を改善して欲しい

・機械的・事務的な医療ではなく、人として温かみのある医療を受けさせて欲しい

・出産は安全に、でも、自然に任せるのが1番で、本当にどうしてもと言う時だけ医療が介入するような、そんなお産にして欲しい

・医師不足は国の力、県の力、市の力で、時には義務的にならざるを得なくても、改善して欲しい

・経験の乏しい医師に任せるのは不安。どこかで研修を積んできた経験豊富な医師に見て欲しい

・説明は求めた時に、いつでもして欲しい。わかりやすい言葉で、わかるまでして欲しい

・少子化を改善するつもりならこどもの医療費を無料にして欲しい

・少子化を改善するつもりなら出産に関わる医療費を無料にして欲しい

・福祉国家なら老人の自己負担額を今以上に減らして欲しい

・家族で介護をするのは実際的には無理。安心の為病院にはいつまでもいさせて欲しい。

・家で介護する家族の事まで考えて転院先を探して欲しい

・地域の病院は決してなくさないで欲しい

高い給料をもらっているのだから、国の税金を使って医師になったのだから、医師には利益ではなく地域の赤ひげ医者になって欲しい

こんな事を願うのはわがままでしょうか?

それとも時代の流れに即した当然の要求でしょうか?

国は何が出来るでしょう?

県や市は何をするべきでしょう?

医師は何を捨てて、何を得たら良いでしょう?

患者は何を諦めて、何を求めたら良いでしょう?

少し考えて見ます。



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