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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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厚生労働省が診療科の制限をすると発表しました
神経内科、アレルギー科、心臓血管外科などの診療科名を
患者にイメージが湧きにくい、細分化された診療科より幅広い診療を目指す
と言う目的に行うようです

断言しますが
この方針は愚の骨頂です

医師不足解消を根底においての施策のようですが
迷走の極みとしか言いようがありません

診療科とは便宜的に、人為的に設けられたものです
厚生労働省が幾ら言葉の制限をしても、その疾患自体なくなるわけではありません
そしてその疾患の専門知識を持つ医師と言うのも自ずと限られます
神経内科医を標傍させないようしたからと言って、例えば「1リットルの涙」の脊髄小脳変性症と言う病気がなくなるわけではありません
そしてその疾患にかかった患者が頼るのは「神経内科医」なのです
中途半端な知識で治療にあたれるほど、現在の疾患は単純ではありません
その分野の専門知識を有した専門家医が診療してこそ、現在の医療レベルが保たれているのです

地方に医師が足りない
特に何科の医師が足りない
それなら細分化された医師をひとまとめに何とか科にして、その医師を送り込めば
名目的には人の足りない「診療科」自体は減るだろう

そんな浅はかな厚生労働省・政府の思惑が透けます

繰り返しますが、時代に逆行した短絡思考の愚政としか言いようがありません

日々医師不足の中第一線で働く臨床科医に
「お前たちの診療科名は必要ないよ」
と言っているようなものです

この疾患は自分たちの診療科が支えている、他の科の医師の手に余るので、難しい疾患ではあるが
難しい疾患であるからこそ、自分たちが診療に当たる
そんな自負と誇りで診療を支えている医師達に
不必要宣告をしたようなものです

誰がそんな状況で、自らを犠牲にして診療に当たる熱意を維持できるでしょうか?

厚生労働省の今回の方針は
むしろ医師不足を加速させると考えます
そして、結局場当たり的な医師不足対策しか出来ないとの印象を抱かせます

この方針が進められるようなら
もう、どうしようもありません
医師不足に加え専門性の欠如と言う医療レベル低下を招き
もう、お終いですね
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医師不足は短期的に解決するものではありません

今いる医師の数は急には増えません
第一線で一人前として働ける医師は、急に育成できるものではありません
パイが限られている中で、どこかの地域が医師を招聘すれば、どこかに医師不足の地域が生まれます
産婦人科、小児科などの特定診療科の医師数是正は、短期的には無理です
国は医療費を減らしたい一心で、国民は自己負担を減らしたい一心で、医師を増やしたり医師の待遇を
改善する財源はありません
紐付き奨学金の若い世代が第一線に出るのは精々6‐10年後です。そして数は僅かです
超売り手市場の医師再就職の現状で、医師不足の病院からの人材流出が止まりません

チーム医療の中で、一職種のみ(医師の事でしょう)労働対価が高いのはおかしいと
現状の医師の待遇さえ過分だと、看護協会の幹部が仰ります
離島では医師と助産師が一人ずついればお産は可能だと、怖いことを助産師出の元法務大臣が
仰ります
日本全国すべての都道府県で医師数は増えていると、厚生労働幹部はのんきな言葉を仰ります
助産院に嘱託医として産婦人科医、搬送可能な協力病院と契約することを義務付ける当然の法改正に
開業権を侵害されると助産師団体が反対します
難しい手術で患者が死亡すると、それが起こりうる合併症なのか、明らかなミスなどなのかもわからない
素人の警察が逮捕し、検察が起訴し、裁判所が有罪判決を下します
辛うじて善意で赴任する医師が着任し、病院が存続すると決まると、過大な要求を当然のように市民と
事務と政治家が訴えます
医師不足の対処法は医師の待遇改善より、強制配置が一番望ましいとアンケートで答える非医療従事者
の認識です

医師不足それ自体の問題と
医師を取り巻く環境と
悲しいくらいに、これらが重なり化学反応を起こし
医師不足を加速させる条件が、整ってしまっています

感覚的には、もうpoint of no returnを超えています
少なくとも、ある県のある地方では、産婦人科医が消えました
そして医局人事でその地域に常勤医師が派遣されることは、この5年から10年単位ではありえません
そして、更に引き揚げる準備をしている地域もあります
その空白地域を埋める事が出来るのは、医局ではありません
医局が努力して、その地域に医師を補充できなければ、その地域に医師を招聘するのは誰でしょう。

ある地域から医師が減り、診療科が減り、困るのは誰でしょう
手に職を持っているコメディカルの人達は、病院の規模が縮小されても次の就職場所が容易に見つかる
からと困らないでしょうか
政治家は地域の住民に、医療インフラ整備を求められ、招聘しても集まらない医師不足の現状に頭を
抱える事になるでしょう
行政は住民の声に応えていないという批判の矢面に立つことになるでしょう
司法関係の方々は必然的に起こりうるその地方での医療レベル低下に起因する事故報告を、存在感を
示す格好の機会と張り切るのでしょうか
マスメディアは医療崩壊の犯人捜しをどこに求めるでしょう

地域の医療崩壊で真に困る人たちが声をあげて、現状を改善させようとしなければ
医療崩壊を止める事などできません
ある地域で医療崩壊が起こった場合、別の場所が用意されている人に過大な負担を要求しても
現状は改善しません
それを逃げ場を持っていると非難することはたやすいですが、現状を考えその地方を去ることは
個人の価値観であり、ただ感情的に非難しても、地方離れを促すだけとの結果にいつ気づくのでしょう

本当に医師不足を解消したいのなら
その地域の自助努力が何より重要です
そしてそれは、痛みを必ず伴います

追記
内診及び嘱託医の問題は政治決着ですか。誰が一番得をするのでしょうか

医師の僻地勤務義務化について

少し考えてみます

「医師は多額の税金を投入されて養成された、いわば公共財。全国民に等しく医療を提供する義務を負う」

医学生一人当たりにかけられる税金がいかほどか知りませんが、卒業後数十年医療サービスを提供し、それでもなお足りない、還元できていないほど高額の税金が投入されているとは、寡聞にして知りませんでした。

また税金を投入した人材には「強制的」でも「本人が拒否」しようとも、居住の自由を奪ってまで、「奴隷的苦役」に就かせる事が可能な国家であるとは、寡聞にして知りませんでした。

日本国という民主国家で生きていく中、教育を受け、整った交通・医療インフラを受益している全国民に、等しく同様に、国の為に働く責務を負わせる事が可能になる、という点で徴兵制に踏み出すまであと一歩と言うところでしょうか。

「医師の資質・能力向上に僻地勤務は役に立つ。自発的に進んで行くべきだ。」

政治家は情勢不安定なソマリアあたりで、混乱回避のOJTでもして自らを磨いてきてはどうでしょうか。
自衛官に実戦訓練して来いと、ちょっと38度線をウロチョロして生きて戻って来いと誰が命令するでしょうか。
旅行会社に入社したばかりの新人に、一人で独立国家シーランドまで行って来て観光プランを練って来いと言うでしょうか。
産婦人科研修が始まって1か月にもならない研修医に、指導医前立ちなしで一人で帝王切開をさせるでしょうか。
それぞれがプロですから、独自の養成法で、独自のノウハウでその世界の流儀と実力を身につけていきます。
その世界を垣間見と事もない素人が、思いつきで「それがあなたの為だから」と、恩着せがましく提案し
しかもその背景にそう提案した人の利権が絡んでいて、納得できる人はいません。
人の命を預かって、訴訟の恐怖と闘って、自分と家族の時間が削られて、疲弊して疲弊して疲弊して。
そんな環境に人を行かせようとする時、そこには礼儀があってしかるべきだと考えます。


「公務員の教師・自衛官などにも転勤の辞令・命令があり、一般企業でも九州から北海道への配置換えはありうる事。医師のみが働く場所を制限・強制されるわけではない。」

少なくとも現在医師になっている人、この春医学部に入学する新1年生までは、僻地勤務義務の契約も、暗黙の了解も、何も国とも都道府県とも交わしていません。
来年度の新1年生から募集要項に書き込むのが良いでしょう。
それとも医学生イコール医師ではないとの強弁を持ち出して、来年の医師国家試験の受験要項に「僻地勤務義務」を書き足すでしょうか。
念願だった医師免許更新制を導入し、「更新には数年の僻地勤務を必要とする」と定めるでしょうか
開業・管理者の要件に「僻地勤務経験」を必要とするよう再度法案化を目指すでしょうか。
出来る事から始めてください。どこからも文句の出ないように、法案をしっかり作って下さい。
話は本当はそれからです。長い長い、憲法違反の訴えの争いの始まり
その間更なるアクセルが踏まれ、最高裁で判決が出るまでに多分完了してしまう医療崩壊の新しい始まりです。


それに
僻地勤務が義務化された後の事、国や地方はどこまで考えているのでしょう?
義務には権利で対抗するしかないのですから

労働基準法をしっかり守り、週40時間労働しか致しませんが何か?
当直明けはしっかり休ませて頂きますが何か?
リスクある症例は訴訟の火種になりますので、この病院では診られませんが何か?
「救急外来の当直は通常勤務扱いとして頂きますが何か?
産休、育休は規定通しっかり取らせて頂きますが何か?
年休は全て消費させて頂きますが何か?

そんな医者は言語道断だと、怒りますか?
今まで奉仕の念で支えられてきた現場に、義務と言う力を持ち出して
それに正当な権利で対抗する事に、逆切れしますか?

それとも、そんな権利を行使できないように新たな法で医師を縛りつけますか?

専門家がこぞって「それは違う」と反論しても、無実の医師を逮捕して何も反省しない現状なら

それならいっそ

このまま崩壊してしまえば?

と思う医師が増えても仕方がないです

医師不足の対処法、解決策、改善案が色々と出ています。
どうするのが、医師にとって、患者にとって、国にとって、地方にとって最善の策なのでしょう。

1)医師を高額の給与、休日を補償する人員体制で地方に招聘。期限付き。

医師が元々勤務していた職場を退職するのは、その待遇が適切でないと感じている場合も多いです。
その場合、待遇の改善によって医師不足の病院に呼び込む方法は適切でしょう。
ですが地方都市と僻地ではその待遇に更なる差が必要となります。また地方に永住しても良いと言う医師を探すのは困難でもあり、期限付きでの好条件募集が現実的かと思います。
一番簡単な方法でもあり、一番難しいこの方法。問題点は何でしょう?

1つは好条件にも上限があるという事です。地方が捻出できる、また地域住民の理解を得れると地方議員が考える条件とは、地方で勤務する事のマイナス面を考慮した場合割に合わないと医師が考える条件である事が多々あります。認識のギャップはどちらかが歩み寄るか、物別れに終わる事を是認するかですが、現状で売り手市場の医師に歩み寄りを求める事は実際的ではないと思います。
1つはそもそもフリーの医師自体パイが限られている為、医師不足の病院数に対し元々の医師数不足の為招聘しようがないという事です。これは医師を招聘する為の労働環境改善=周囲のマンパワー確保、の実現にも支障を来たし、悪循環になり得ます。

待遇改善は現在医師勧誘の必要条件でしかない、この現状はしばらく変わり得ないと思います。
待遇改善を声高に訴える事は医師にとってマイナスイメージでしょう
ですが、本来評価されて然るべき労働であり、一方でそれを評価する施設があれば当然医師はその施設に移動していきます。自ずと変わろうとしない施設であれば、何も言わずに立ち去るだけと。
ですがそれを医師の金儲け主義と批判する立場も当然あります。その意見が真に医師不足に悩む立場からなのか、安全な立場での意見なのかにより重みも随分と違うものではありますが。

2)医師の公務員化による人事権の把握

医師を公務員として雇い入れようとする地方は増えつつあります。3年間の派遣+1年間の有給研修など特典をつけている場合も多いようです。
地方にとって医師の人事権を掌握する事は大変魅力的です。僻地に強制的な人事権を持ち派遣が可能になる事は、医師不足に悩む地域、医師確保の期待をかけられている地方議員、地域住民にとって望ましく、安定した供給が可能なシステムを構築したいとの考えは理解できます。問題点は何でしょう?

1つはその公務員化に対する医師の応募が少ない点です。医師が数年単位で人事権を委ねる母体組織は、大概2つに別れます。強力な人事権を有する医局人事、金銭的なインセンティブを持つ民間医局、どちらも人事異動に対しそれ相応の(短期的であれ長期的であれ)、医師本人に対しメリットとなる人事であるからこそ、ある程度地方の派遣先を告げられても頷く事になります。
医師を公務員として雇い入れたいと考える地方の中には、ただ医師の人事権を手に入れたいと考えるのみの姿勢が見え隠れする場合があります。医師に対し人事権を有する場合、その代償として当然考慮しなければいけないその医師に対する報酬・対価について、公務員としての身分保障のみでは当然足りない事に対し、畑違いの地方行政の役人には分からない点もあるかもしれません。公務員としての魅力を感じる人に取り、職場を転々とし自分のスキルで稼ぐ事の可能な医師の取り扱いは難しいでしょう。

3)医師の強制配置、科の強制割り振り

強制力を以て障害を排除するというのは最も簡単であり、安易な手法ではあります。現在の医師不足の報道が溢れるにつけ、どうして強制的に配置しないのだと怒りを感じる人が増えるのも理解できます。
強制力が働き困るのは医師のみであり、医師のみの不満を飲み込めば医師不足に悩む地域、批判される国政、地方行政、国民の安心を担保可能と言う点で、最大多数の最大幸福の為、公共の福祉に反する現状改善の為との名目で、国家が医師の人事権を全て掌握するというのは魅力的でしょう。問題点は何でしょう?

言うまでもなく強制である点が最大の問題となります。憲法違反の訴えに結論をつける事が可能なのか、強制に対し本当に国民が納得するのか、医師の免許証を放棄した場合の取り扱い、不向きな科・望まない地方での非精力的な働きに対する罰則は、その強制力が他業種に及ぶリスクを考慮しているのか、など目の前の医師不足に対し、決して結論が出ない事は明らかです。
未だ本気で強制力を以て医師不足を解決しようと考えるメディア、政治家がいるとすれば、それは現在の医師不足に対してではなく、超長期的視野に立つ取り組みである事を受けとめる側も理解すべきです。

4)医師養成数、養成校の拡充

これも広く言われている事であり、現在の医師不足を鑑みるに方向性としては間違ってはいないと思います。
ですがこれもまた中~長期的な解決策であり、5-10年単位でより急速に進むであろう医療崩壊の解決策にはなり得ません。問題点は何でしょう?

医師を養成するのに学部6年、中途入学でも3年、初期研修に2年、科専攻後のspeciality獲得まで5年程度でようやく0.8人前の医師が出来上がります。計10-13年です。促成栽培を行うとしても、現在の要求される医療水準を満たすにはマイナス可能だとしても数年程度でしょうし、それすら無理かもしれません。
また例えば小児科、産婦人科に特化した医師を養成すれば良いとの意見もありますが、果たして可能なのでしょうか?非医師に取って、マイナー科の医師はその分野しか知らないとの見方もあるでしょう。確かにその一面もあるかもしれません。ですが、どの科を専攻するにせよ医学生時代、臨床経験をつむ中で各科にまたがる病態論は当然理解しなければいけません。真に小児科のみ、産婦人科のみとの知識を詰め込めば、その科の医師が出来上がるとの考えは、共通の知識をある程度有し、医学の中で共通言語を操れるという面を軽視しているように思えます。

何れにせよ短期的に医師不足を解決する方策ではありません。ただし見直す点にはあると考えます。
勿論医師を養成するにはその何倍もの医師が必要であり、かつてのようなマスプロの教育ではなく、少人数、臨床重視の現在の医学教育の水準を維持・引き上げた上での教育が、この医師不足の中可能なのかと言う問題点は残ります。

考えてみたけれど、上記の4策では現在の医師不足を即効的に解決できません。
何をどうすれば、本当に解決するのでしょうか?
解決する事が可能な問題なのでしょうか。

選択肢
1)諦めないで医師不足の解決策を考える
2)諦めないけれど医師不足から波及する諸問題を、仕方ない事だと認める
3)諦めて医療格差をあるものだと考える
4)何も考えないで成り行きに任せる
5)病院の世話にならないから関係ない

市民「いくら医者不足と言っても最近の医者の態度はひどいですよ。」

他人「何かありましたか?」

市民かかりつけの総合病院で私はずっと長い事診てもらっているんです。前の部長先生の時から長い事。」

他人「数年にわたる病院とのお付き合いと言う事ですね。」

市民「数年なんてもんじゃないですよ。もう10年近くも診てもらっているんです。それを最近来た新しい医者
が、あなたは落ち着いているようだから近くの開業医で診てもらったら?と失礼な事言うんです。」

他人「失礼な事ですか?」

市民「そうですよ。私はその病院が好きで、内科、外科から全部の科が揃っているこの病院で診てもらう事に
安心感をずっと持っていたんですよ。何かあったらすぐ他の科を受診できるし。それをまあ、お得意様をつかまえてよそに行けなんて酷い事を言えるもんですよ。」

他人「どうして開業医を勧めているのか担当医に聞いてみましたか?」

市民「怒り心頭であまり聞けませんでしたけど、外来の患者数増えすぎて待ち時間が長くなって苦情が来てるそうなんです。それで私みたいに薬だけもらいに来ている患者はよそに行けって。」

他人「待ち時間は長いんですか?」

市民「確かに待ち時間は長いですよ。1時間以上待つのもざらですし、予約なしで行った時なんて朝受け付けして診て貰えるのは15時位になる時もあるんですよ。」

他人「それは大変ですね。」

市民「そうですよ。本当に待つ方の身にもなってもらいたいですよ。」

他人「いや、その外来の多い医師が大変だなと思いまして。」

市民「その上最近は科によっては紹介状なし、予約なしの患者は診ないって言うんですよ。患者は突然病気になるんですよ。そんな予約なんて言ってられないじゃないですか。」

他人「確かに病気を予見できない事は多いですね。ですが開業医にかかる事の出来ない特別の事情でもおありですか?例えば稀な疾患に罹患している為、同時期に別の疾患を治療する場合注意が必要であるとか、薬剤アレルギーが酷く前医からの詳細な情報提供が必要であるとか?」

市民「いや、そんな事はないですけどね。でも近くの町医者じゃ不安じゃないですか。」

他人「ですが高度な医療を要求される場合はともかく、一般的な治療で済むケースは開業医をまず受診された方が良いですね。」

市民「どうしてですか?私みたいな軽い患者は大きな病院に来るなって事ですか?」

他人「絶対にそうだというわけではありません。ですが開業医と小規模総合病院、中規模総合病院、大規模総合病院、大学病院のそれぞれに存在意義があるわけです。それぞれの規模に合わせて、それぞれの能力と体力で扱う疾患の棲み分けがある程度出来ている事はわかりますか?」

市民「まあ、それは何となく分かりますけど。重い病気は大きな病院で診るってことでしょ。でも大きな病院で診てもらった方が安心じゃないですか。それに小さな町医者で診てらっていて手遅れになったらどうするんですか?」

他人「そのような意見がある事も理解出来ます。ですが本当に緊急の場合は救急車を要請するとして、多くの場合は開業医をまず受診して、必要があれば紹介状を書いてもらってから受診しても重大な遅れは生じないと思いますよ。」

市民「じゃあ今回新しく来た医者が、私によそに行けって言ったのはどういう意味ですか?」

他人「あなたの病状がある程度落ち着いているので、開業医による継続した治療でまずは問題ないと判断したからでしょうね。この医師不足の時代ですから、病院と開業医での業務分担がこれからはより必要になると思います。」

市民「医者不足で、私みたいにかかりつけだった患者が追い出されるって事ですか?」

他人「本来急性期病院ではかかりつけ医の役割を果たす事が難しい面があります。かかりつけ医であればお近くの開業医の先生など身近な医師を見つける事が実際的でしょうね。」

市民「それが医者不足とどう関係するんですか?」

他人「医師不足の総合病院に軽症の患者が集まれば、それだけで外来がパンクしてしまいます。本当に医療が必要な患者さんの受診が遅れてしまう事になりますし、業務スタッフの疲労・負担も増えてしまいます。それは医師不足に拍車をかける要因となるでしょうね。」

市民「じゃあ私みたいな患者は大きな病院にかかれないんですか?」

他人「勿論そういうわけではありません。必要であれば紹介状を受け持ちの開業医が記載するでしょうし、まだその病院で経過観察が必要な場合などは、幾ら外来が混んでいたとしてもきちんと予約をいれるはずです。開業医を勧められると言う事は、ひとまず病状が落ち着いているという事で、それ程お怒りになる事もないと思いますよ。」

市民「本当は一つの病院で全部の病気を診てもらえれば、患者にとってそれ程良い事はないんですけどね。」

他人「そうですね。ですが医師不足の今はなかなか難しい事かもしれません。」

市民「早く医者不足が解消すると良いんですが。」

他人「そうですね。」

 



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