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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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産婦人科の新規入局院は、新臨床研修制度の開始以来
確かに減っています
国は産婦人科医不足の一因をこの臨床研修制度にあると考え
改正として
1年次の早期から産婦人科、小児科をローテーションする事を可能にするとの
案を出しています

ですが、それが産婦人科への進路志望者増につながるかは、疑問です

大学医学部の入学時点での産婦人科、小児科志望者は決して少なくありません
どこで進路を変更するかと言えば
実際に臨床に触れる医学部5,6年生、最も変更のポイントとなるのは臨床研修時
にローテーションで実際にその科を回った時だと思います
勿論全く考慮していなかった研修医が、科をローテーションした後産婦人科を志望
してくれるケースもあります
それは大きな喜びであり、この逆境に立っている事を認識した上で敢えて希望する
やる気のある研修医の存在は頼もしくあります

ですが、多くは実際に回り希望していた学生、研修医が志望を変更するケースの方が
多いと感じます
それは巷で言われている所の
・労働環境が劣悪:当直回数がどうしても産直の為多くなる
・労働条件に見合わない収入:時間外労働が幾ら多くても、時間外手当の上限は決まっている
・訴訟のリスク:福島県の不当逮捕も影響を与えています
など、返す言葉もない理由で、産婦人科は敬遠されます

確かに、そのような環境です
強く、産婦人科を勧める事が出来るかと言えば
正直に言って、その人の将来を考えれば無責任に勧誘する事に戸惑いを覚えます

新規参入の産婦人科医を増やさなければ、現在の労働環境が改善する事もなく
新しい医師を産婦人科に呼び込む事が急務であるのは当然です
ですが、まるで薔薇色の将来が待っているかの様な、JAROに連絡されるような勧誘は
できません
まして今のように情報が溢れている中、学生、研修医も実際のところを知っています
幾ら美辞麗句で固めようと、現実問題疲弊した産婦人科医を見た時
その現場に入る事に足踏みしてしまう事も十分に理解できます

新しい産婦人科医を強く求める傍ら
新しく産婦人科に呼び込む事も、無責任には出来ません

出来る事は
自分が出来る範囲で、産婦人科の良さを少しでも伝える事だけです
そして、少しでも産婦人科に興味を持つ学生、研修医が出てきた時に
その人達につながるように、これからの労働環境を少しずつ改善していく事だけです

嘘、大袈裟、紛らわしい勧誘は、将来的にその人達の為になりません
また、国が考えているような、1年次の早期に産婦人科をローテーションさせたからと言って
産婦人科志望者が増えるわけでもありません
労働環境の改善なくして新規入局者が増えていかない事は自明です
そこを立脚点として推し進めない限り、先細りの一途、負のスパイラルが待っています

せめて研修医のロールモデルになれるように
その中から1人でも、2人でも入局希望者が自発的に産まれてくれたら
本当に嬉しいと思う毎日です

産婦人科医をやっていて良かった
安心して産婦人科に入っておいで
一緒に産婦人科を頑張ろう

そう胸を張って勧誘する事ができる労働環境を切に願います
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