医師不足は避けられますか?
国は何をし、地方はどうしたら良いですか?
医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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産婦人科医が飲酒後正常分娩を取り扱ったとして、大きく報道されました
現場の産婦人科医として、大きくため息が出ます 「そんな報道するなよ・・・、阿呆」 世間一般の人がどう思っているのか知りませんが、飲酒後の医師に診療されたくないのは 確かに理解できます 万が一に何かあったら大変だと、拒否感を覚えるのも分かります ですが 「じゃあ、どうするの?」 その質問に答えられる人のみが、この医師を責める資格があると思います 正論を振りかざし 「けしからん、とんでもない、懲戒免職じゃー」 と威勢よく言うのも結構です ですが、 「それで、じゃあ、どうするの?」 その問いに答えられるのなら、一産婦人科医として襟を正したいと思います ですが、答えられないなら 「わけわからん事を言っているなよ」 とそう思います 「飲酒後に診療をしない」 それは確かに建前としては正しいです ですが、飲酒後の医師に診療を認めないならば、それは今日からの産婦人科診療の 崩壊を意味します 1)2人体制の病院で、緊急帝王切開術が必要になった。もう一人を呼んだ 「ごめん、飲んでた」→終了 2)正常お産後4度裂傷が生じた。技術を持つオーベンを呼んだ 「ごめん、飲んでた」→終了 3)お産の進行が悪く、判断を仰ぎ責任者を呼んだ 「ごめん、飲んでた。電話でなら相談聞くよ」→ok 「ごめん、飲んでたけど心配だから病院に診に行くよ」→分娩室に立ち入ったと責められる 4)緊急で子宮外妊娠の手術が必要になり、助けを呼んだ。宴席でみんな飲酒していた 「全員飲んでるんだけど」→終了 考えただけで今までかろうじて、「善意」の拘束体制で支えられていた夜間の産婦人科診療 が崩壊に陥ることが簡単に予想されます 「酒を飲むな!」と強制されるならば、それは「拘束」されている事になります ですが、非拘束の医師の協力なしに産婦人科の夜間診療が立ち行かなくなることは 火を見るより明らかです 「俺酒飲んでるから、無理」 そう言われれば、多くの病院で孤立無援となる当直医・拘束医が発生します 複数当直体制、複数拘束体制を敷ける、マンパワーが豊富な病院を除き 多くの病院は少ない医師で何とかやりくりしています 2日おきの拘束、1ヶ月に10泊、そんな中でも何とかやりくりしています そんな中、「もしもの呼び出しに備えて飲酒禁止」 なんて事になれば 産婦人科の崩壊は決定的です どこまで患者におもねるのでしょう どこまで医師に負担を強いるのでしょう 別に現場の医師は構いません 飲酒後の診療を禁止するならば、どうぞそのようにしたら良いと思います ですが、「飲酒禁止」を強制されるならば、それなりに見返りが必要です 「飲酒禁止」を守る筋合いはありません 病院自体、開設者自体が、夜間の人員確保に励めば良いだけの話です 現場に負担を強いられる筋合いはありません 現在の夜間の産婦人科診療はあくまで、医師の善意に依存しているものです それを何を勘違いしたのか、当然の事だとのぼせ上がった方々がいるようです 言ってやれば良いのです 「嫌なら診ない」 罪のない者が石を投げよ PR |
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