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医師不足は避けられますか? 国は何をし、地方はどうしたら良いですか? 医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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現在殆どの医局では医局員不足です
診療科問わず、新規入局者は減り、脱局者は増え、マイナスバランスまっしぐらです
例外的に年に50人以上入局する巨大医局の存在を耳にしますが
日本の面積の大半をカヴァーする地方大学の医局は、まさに焦土一歩手前といった感じです

医師はどこへ消えたのか?

医師免許そのものを使い、生活の糧とする人数は減ってはいません
ただし、
医師派遣の手駒となる、従順な、使い勝手の良い、安上がりな
「持ち駒」的な医師が減っています

転勤命令が出ても、決して嫌と言わない
医局が動けと言ったら、抗弁せず黙って動く
異動命令が数週間前でも、取り敢えず着の身着のまま、次の勤務先に出向く

そのような強大な権力を、かつて医局は有していました
医局マフィア、医局はヤクザな所
そんな言葉で形容されるように

地域の同一診療科の医師は殆どが顔見知りであり
現教授を頂点に、同心円状に(若しくはピラミッド状に)、ある診療科のネットワークは完成されており
ギルド的なそのネットワークに参加しない、同一診療科の医師は
日常診療業務に大きな不利益、不都合を感じるため、進んで、またはやむを得ず
そのネットワークに参加する事になりました
そのような「同じ釜の飯を食べた」間柄であるからこそ、ネットワーク参加者間の結束は強く
その輪からはみ出す事を恐れればこそ、無理難題的な派遣命令にも従わざるをえませんでした

ですが、そのような仕組みは最早成り立たなくなっています
またそのような仕組みは現在において、強い理解を得られるような仕組みでもありません

自分の生活を思いやり、家族を思いやり
社会情勢を鑑み、現在の医療情勢に思いをはせると
ふと
「無理にこのコミュニティに固執する必要はないのではないか」との思いが強まります
そのようなネットワークに参加せずとも
自分のやりたい医療は可能であり、むしろ生活がより豊かになる
そんな思いが、医局離れを促進させます

「あと一年耐えてくれ」
「地域医療を守ると思って我慢してくれ
「お前がいなくなったら、一体誰が後に続くんだ」
「残る俺たちを見捨てて、それでもお前は出ていくのか」
「戻ってきても、もう居場所はないと思え」
懇願、哀願、同情、脅し、捨て台詞
医局を離れるには色々なしがらみを断ち切る必要があります
ですが進みに進んだ医療崩壊の現状は
そんなしがらみを断ち切る事も仕方ないと思わせるほどの、それでも外に出るほうがよっぽどましと
そう思わせるに足る状況です

個人にのしかかる負担と自己責任
いつ裁判沙汰になるかもわからない中での診療
自宅に帰れない当直、時間外労働の嵐
そんな中、疲弊して、心砕けた医師にとどまれと、誰が強制できるでしょうか

かつて成り立っていた医局制度
もはや崩壊寸前です
この現状、止めようは本当にあるのでしょうか
また、かつての医局が有していた医師派遣業務を、地方で代替しようと目論む役人
どれだけの覚悟を持っているのでしょうか

入局者離れの大きな要因である、地域での劣悪な労働環境を是正せずして
地域に医師を呼び戻す事は不可能です

強制力を持って、手頃な医師を、思いのままに、手駒のように使う事が可能であった時代は
もう
終わりました

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