医師不足は避けられますか?
国は何をし、地方はどうしたら良いですか?
医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
産科当直は他の科の当直と比較し特殊な点が多くあります
1つは患者さんのもとに到着するのが1分遅れると、大きな違いが生じうると言う事です 院内当直制を採用している病院が殆どです 総合周産期母子医療センターのように、複数の産婦人科医当直体制を取っている病院もあります ですが、実際地方では1人科長病院、2人体制病院、3人体制病院が未だ多くあります そのような病院で院内当直体制を取るならば 1人科長病院では月に30回 2人体制病院では月に15回 3人体制病院では月に10回 の当直体制になります。 それにプラスして、緊急帝王切開術時のon call拘束を考慮すると 1人科長病院では月に30回 2人体制病院でも月に30回 3人体制病院でも月に20回 の当直+oncall体制になります その間常に病院からの呼び出しに備え、気の抜けない拘束時間が続きます この当直体制・拘束体制は明らかに労働基準法違反です かつての産婦人科医と言えば、そのような労働条件を当然と思い働いていました その体制が許容されていた前時代、それは今考えると決して望ましい体制ではないはずです まさに産科医とその家族の自己犠牲に依存していた制度は、崩壊してしかるべきです ですが現在もこのような当直・拘束体制は確かに続いています 労働基準法違反の是正を病院が勧告されるようになりました それ自体は当然のことと思います ですが、それによって現場の産婦人科医師に求められている事は 「自主的」に院内に泊まるようにとの御達しです 病院側は「強制」はしません 「紳士協定的」にお願いいたします 「自己判断」で「主治医の責任として」泊まる事が必要ではないですか? との御達しです 勿論「自主的」な泊まりであれば、その間特別手当などは支払われません 実労働時間があれば、それに対して時間外手当を支払うと言うスタンスです 病院によっては、強制とできない以上泊らなくても良い on call制とし、必要時すぐに病院に駆け付けられるなら、それで良いと言う施設もあります ここで最初の産科当直の特殊性に戻ります 患者さんのもとに到着するのが1分遅れると、大きな違いが生じうる これを産科医が実感する機会は少なくないと思います 呼ばれて分娩室に到着したら、既にbabyが生まれていた NSTで遷延性徐脈が連続してモニターされていた 子癇発作が出現していた 生まれていたbabyのApgarスコアが悪い上、弛緩出血+頸管裂傷が生じていて目も当てられない そんな状況は決して稀ではありません 1分を争って、産科医は分娩室に向かいます 1分の対処の違いが大きな差となる場面があります 1分遅く到着した事で、分娩に間に合わない時があります 院内当直体制を取っておらず、on call制での呼び出しとしている施設ではどうでしょう? 呼ばれてから到着するまで、大きな心理的負担を感じます 自宅から病院までの距離がひどく遠く感じます 1分を争って、息を切らして病院へ向かいます 分娩室へ息も絶え絶えに到着する時があります 仮に分娩に立ち会えない場合、家族から何らかの抗議があるかもしれません 何より、安全性を担保できるのか、問題点は多くあります その恐怖心が、産科医を「自主的」に病院へ泊らせる動機となります ですが、その体制が続いていくとは思えません 現場の産婦人科医はもう限界です いくら安全性を考慮して、産婦人科医は院内に常駐せよと言われても 労働基準法違反ど真ん中の、この当直・on call制度が 産婦人科医の自己犠牲のもと、いつまでも続くというのは幻想です その対処としては、産婦人科施設の集約化、健全な当直体制を取れるだけの産婦人科医師数の 増員しかありません 妊婦にいくばくかの負担を強いるとしてもです。 「チームバチスタの栄光」の麻酔科医 氷室の言葉 「これじゃあ、医者も壊れるぜ」 は現場の産婦人科医の叫びでもあります PR |
カレンダー
フリーエリア
最新記事
(03/13)
(10/21)
(10/15)
(09/13)
(09/01)
(08/25)
(08/18)
(08/11)
(08/10)
(06/25)
(06/01)
(04/22)
(04/20)
(04/13)
(02/18)
(02/11)
(01/11)
(12/17)
(12/02)
(11/27)
(11/26)
(11/21)
(11/19)
(11/16)
(11/14)
最新TB
プロフィール
HN:
trias
性別:
非公開
自己紹介:
twitterでもつぶやいています
ブログ内検索
最古記事
(12/29)
(12/29)
(12/30)
(12/31)
(12/31)
(01/02)
(01/06)
(01/08)
(01/13)
(01/14)
(01/18)
(02/03)
(02/20)
(03/01)
(03/25)
(04/10)
(04/22)
(05/15)
(05/19)
(05/21)
(06/19)
(10/09)
(10/24)
(11/10)
(11/14)
アクセス解析
アクセス解析
カウンター
|