医師不足は避けられますか?
国は何をし、地方はどうしたら良いですか?
医師はどうすべきで、患者は何を求めますか?
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今年は12月27日から1月4日までの9連休の人が多いのでしょうか
休みが多いと嬉しいかと言うと、全くそうではない産婦人科です 年末年始、病院もさすがに定期の手術予定は組みませんし、外来も閉じています お盆と年末年始は病棟から患者さんが減るのも風物詩の一つです 予定手術の多い婦人科病棟でも、さすがに患者さんが減ります ですが、正常運転なのが産科です お産に朝夜は関係ありません 当然年末年始なんてbabyは知りませんし、妊婦さんの陣痛も止まりません 12月31日であろうが、元旦であろうが 生まれる時にお産は突然やってきます そして当然産科医は分娩に立ち会います 一瞬前まで正常経過を辿っていた分娩経過が、急に緊張が強いられる渋いお産 に変わるのが産科です 突然1分1秒を争って、緊急帝王切開に移行しないといけなくなるのが産科です 年末年始はさすがに休みたいと思うのが人情です 普段会えない遠くの家族、親戚と会いたいの思うのが人情です ですが医師を職業として選んだのであれば 産婦人科を専攻科として選んだのであれば そんな幻想は捨てろと教え込まれるのが、産婦人科です 何て前時代的な、現状の医師の労働環境改善が声高に訴えられている中 逆行一直線の教えであろうかと思います ですが、産科医がいません 当番医は常にお産に追われ(当然子宮外妊娠・卵巣嚢腫茎捻転など緊急疾患も診つつ) 2nd callの拘束医は病棟にかけられる範囲で、しばしの休息を感じます もう一人医師がいれば、順番に休む事も可能かもしれません ですが地方に多い二人体制病院ではそれすら望めません 三人体制の病院でも、二人で守っている間の負担はかなりのものです 世間が休んでいる期間ほど、仕事に追われる心の負担は大きくなります 1分1秒を争って、ミスの決して許されない時間が連続するほど 心と体の負担も大きくなります そして家族にも申し訳ないと、多くの産婦人科医が嘆きます いっそ休日・祝日なんていらないよと 年末年始も世の中全て、正常運転でいてくれた方がよっぽど良いと そんな拗ねた考えさえ浮かびます 産婦人科医が足りません 対策としては産婦人科医の集約化が早急に行われるべきだと感じますが 1年、2年で世の中はドラスティックには変わりません 向こう数年この体制は変わらない事でしょう それまで、何割の産婦人科医が持ちこたえるか 現場からSOSを送ります 各病院の当番医は各病院でまかなうとしても、せめて 年末年始位は帝王切開術の第1助手となる2nd callの産科医は、広域で数人確保して 病院の設立母体を無視してでも、ヘリ・緊急車両でフレキシブルに派遣できるようになれば 各病院1人当直、1人拘束と言った、マンパワーの無駄遣いを改善できるとも思うのですが PR
地方勤務を望む人は多くはありません
ですが誰かが行かなくてはなりません そこに病院がある限り お産がある限り 派遣の元締め、医局が撤退を決めない限り どんな地方にも医師は派遣されてきました メリットと言えるメリットは殆どありません 同僚医師は一人だけ、24時間365日常に拘束の状態で 常勤の麻酔科医がいなければ、緊急帝王切開の麻酔も自科麻酔 新生児の管理も含め、産婦人科医・新生児科医・麻酔科医、3つの顔を 要求されます 常に緊張の連続で、自分の病院で可能な事と不可能な事の はざまにある症例の、搬送有無決定に悩む日々 搬送すら間に合わない、超緊急症例の発生に怯える毎日が 今日も全国各地の、地方病院で働く産婦人科医の日常です 病院の他には何もなく、遊ぶ場所も、息抜きができる場所も そんな地方には殆どありません 一緒についてくる家族にとって、そんな地方は住みにくい事でしょう 自分と縁もゆかりもない地方都市 医師不足がより深刻な中の地方都市 そんな病院に、今日も医師が派遣されています そこに行けと命じられ、向うのは 片道切符でないことを知っているから いつかは戻れることを知っているから 今その場で働いている先輩医師・後輩医師が身内であるからこそ その地方病院に派遣されてきた歴史があるからこそ 自分は行かない と言うわけにはなかなか出来ない、と言う事情があります まさに義理と人情の、旧態依然の医師派遣システム かつて世間が非難した、医局マフィアが運営する医師の割り振り制度 ではあります ですが、その体制そのものが現状において機能不全に陥っていることは 周知のとおりです それは現在の医師を取り巻く環境を考慮すれば、当然の事ではあります かつてのように義理と人情で派遣された病院で 自分が頑張っても頑張っても 見返りとしてくるのは、過酷な勤務による心身の変調と 抱えるリスクに比例する訴訟・逮捕の可能性 かつての派遣の根底にあったのはgive and takeの精神です その中には義理人情が大きく関与しています ですが、現状において、その義理人情と多少のtakeでは割に合わない程 医師不足の中の地方病院に勤務する医師は追いつめられています 行けと命じられ、その人事を断る事は かつてのように医局人事のみが主体であった頃大きな意味を持ちました その地域で二度と働けなくなるリスクもありました ですが、今のように医師の勤務体系が多様性を見せる中 義理と人情を欠いても、自らの生活と家族を守るため 派遣人事に背く事も大いにあり得ます それはその医師個人が責められるものではなく そんな体制しか作れない、現状の医療システムそのものが責められるべきです そんな中 いまさら同じような医師配置計画を作ろうとしている新聞社もあります(読売ですが) 義理と人情で辛うじて保たれていた現在の制度 それも最早崩壊途中にあります そんな制度・配置計画が本当に出来上がったら、見ものではあると思います 義理と人情が介在しないそのシステムが、どんな状況を生み出すのか 現状の派遣システムがまさに崩壊途中の中 それでも、今日もどこかで義理と人情にほだされた医師が 一生懸命に地方病院で働いています そんな医師たちに敬意を示し、これからを憂います さすがは、今をときめく麻生総理大臣
どうせなら謝罪しない方が政治家として一貫性が保たれますが すぐに謝罪するところに、むしろ問題があります それは結局現状認識を把握せず、思いつきで発言しているという事が明らかだからです 所詮現在の医師不足に対する認識がその程度というわけです そしてそれが誰あろう総理大臣の発言なのですから… この耐えられない発言の軽さ 幾ら「医師不足」「医師不足」と世間が騒いでも 麻生自民党はこの程度の認識です それで現状を改善しようと本気で思っているわけがありません 何周遅れかわからない地点に、現総理大臣は立脚して発言し、方針を決めているわけです そりゃ、改善するわけがありません この発言の後、麻生自民党が医師不足を改善できる能力があると本気で思える人は よっぽどのオプティミストで、羨ましくなります こんな発言をする現総理大臣がいる国 医療崩壊は続きます どこまでも それもまた良いのかもしれません 総理大臣を選んだのは、国民で この程度の認識しかできない人が総理大臣ポストにいる事も われわれ国民が選出した議員達の投票結果ですから それにしても以下の発言もですが 以下引用 */*/*/*/*/*/*/**/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/**/*/*/*/*/* 11月19日21時11分配信 読売新聞 自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会的常識 が、かなり欠落している人が多いと思ったほうがいいなあ。うちは何百人と預かってます からよく分かりますよ */*/*/*/*/*/*/**/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/**/*/*/*/*/* 麻生飯塚病院の事ですが、自分であれば経営者がこんな発言をする病院なら さっさと消えますね 繰り返しになりますが 麻生総理大臣の発言は医師不足改善の何の一助にもなりませんし むしろ医療体制改善の妨げです 別に総理大臣を続けることに異論はありませんが せめて門外漢なら黙っていてもらいたいものです 発言が無意味ですから 医師不足の改善の為には医師を増加させるしかありません 産科医不足の解消を望みますが |
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